日本口腔腫瘍学会と癌検診

日本口腔腫瘍学会は歯科関連の専門学会のひとつです。

その34回学術大会が1月21・22日に横浜市開港記念会館（国指定重要文化財：煉瓦作りの時計台を有する建造物で昭和初期に再建され「ジャックの塔」の愛称で親しまれている）で開催されまた。

学会というと大きなホールや比較的新しい建物が会場となることがほとんどですが、この建物は内外とも趣きがあり改めて港町横浜の歴史を感じるところです。

天気の良い日に横浜・山手をのんびり歩きながら洋館をめぐりと写真撮影でもしてみたくなりました。さて、歯科口腔外科専門医でもある私が本学術大会に出席した目的はシンポジウムで取り上げられた「口腔癌検診」を聴講するためです。東京２名、神奈川・岩手から各１名の先生が演者でした。

神奈川県下でも地域歯科医師会を中心に平成18年から無料検診を行っています。

口腔癌は口腔（歯肉、舌、頬、口蓋、口底など）のほとんどの粘膜に発症する可能性があります。

極稀に顎骨から生じることもあります。検診結果から癌発見率は0.1～0.5％程と報告されていますから確かに癌の中でも希少癌ではあります。

しかし早期発見・治療が癌克服の重要因子であることには変わりなく治療後のQOLにも大きく関与してきます。

また、前癌病変、前癌状態など長期の経過観察が大切となる疾患の発見にもつながります。

検診は口腔内の確認が主で必要であれば個別検診、細胞の検査などを行うこともあります。

ちなみに検診希望者は女性が多く男性の2倍以上となっているようです。

過去当院に受診され癌あるいは癌の疑いがあった方はどちらかと言うと男性が多い傾向でした。

癌年齢と思われる中・高年の男性にもっと検診への関心を持っていただければと思います。

すでに戸塚区でも年一回の癌検診を行っております。